Bluetooth5.0のFAQ[pdf]を読んでいくシリーズ2回目。
- 2x bandwidth
- 4x range
- 8x broadcasting message capacity
よく見たら、前回のbandwidthも今回のrangeも「with low energy」と書いてあったので、BLEだけの話なのだな。
rangeだと「範囲」と読んでしまうのだが、どちらかといえば距離っぽい気がする。
同じ送信パワーでも4倍のlonger rangeでいけるぜ、というところか。
Bluetooth SIGのホームページに、range関係らしきドキュメントがあった。
Range Whitepaper[pdf]
技術資料ではあるが、BL600などの名前が柱に出てきているので、企業が作ったもののようだ。
こういう団体が出すようなドキュメントは中立的なものかと思っていたけど、「ホワイトペーパー」というものは企業が自社宣伝も兼ねて作るものらしい。
これを眺めたら、4倍になる理由が分かるかと思ったけど、それっぽい比較表がなかった。
ちゃんと読めばわかるのかもしれんが、計算によって理論的な距離が出せるという読みものではないかと思われる。
こういうときは、再びsilexさんのブログを読もう。
Bluetooth 5 のはなし|Wireless・のおと|サイレックス・テクノロジー株式会社
「無線通信の世界に魔法はありません」。
まったくです。
基本的には計算であれこれやって、あとはノイズとか反射とかの外乱が出てくるけど、プロトコルによって距離が変わるということはあり得ないはず。
あるとしたら、ノイズに4倍強い(計算上)方式になったとか?
もうちょっと読むと、4.2での上限が-20~+10dBmだったものが、5.0から-20~+20dBmになったんじゃないの?という推測になっていた(記事の時点では、まだCore_v5.0が出ていないため)。
さっきのPDFの表が、こうなってました。
ちなみに注釈1は「Minimum output power at maximum power setting」とのことで、最大出力設定時の最小出力、だと思うのだけど、技術用語的に微妙な違いがあるのかも。
計算のことはわからんので、Core_v5.0の変更で範囲が変わっているか確認しよう。
まず、v4.2から。
[Vol 6, Part A]3. Transmitter Characteristicに表があった。
では、v5.0の同じ章を。
ふむ、そのようだ。
また、以下の表が追加されていた。
これが、ホワイトペーパーに載っていた表ですな。
BR/EDRのようにclassができたということか?
v4.2までの最大は、class1.5に相当するのだろう。
なので、仕様上(かつスペック上)、v4.2と比べて4倍の距離が出せるような送信パワーを許容した、というところか。
距離を出したければ頑張れ、ということだろう。
前回のbandwidthもそうだけど、技術的革新で!というわけではなく、仕様の枠を広げたというところだ。
いや、難癖を付けているわけじゃないし、これはこれでよいと思うのだ。
ただ、同じハードを持ってきて「Bluetooth5にして距離を伸ばせ!」とか言われても、いやいやそうじゃないんですよ、という話はできないといかんので、実装する人は概要を把握しておいた方がよいだろう。
また、周波数帯とかパワーが変わるとなると、技適も取り直しになるのかな?
そこら辺は詳しくないのだが、出力する内容が変わるのだったら、再提出くらいはいりそうな気がする。
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